奨学金をもらったら扶養控除から外れる？所得にカウントされるの？奨学金と扶養控除との判定を解説
【はじめに：奨学金と扶養控除の関係】
大学や専門学校に通う学生が奨学金を受け取ることは、学費や生活費を賄う上で大きな助けになります。しかし、扶養控除を受ける親にとって、「奨学金が子どもの所得に影響するのでは？」という疑問が生じることもあります。ここでは、奨学金が扶養控除に与える影響について、具体的な事例を交えながら解説します。
【奨学金は所得に含まれるのか？】
まず結論から言うと、奨学金は扶養控除における「所得」には含まれません。奨学金は、学費や生活費をサポートするための非課税収入として扱われるため、所得税の計算に影響を与えない仕組みになっています。
これにより、子どもが奨学金を受け取っている場合でも、扶養控除の対象であり続けることができます。
【奨学金の返済義務がある場合】
一部の奨学金には返済義務がありますが、これも扶養控除には影響を与えません。返済の有無にかかわらず、奨学金自体が所得として認識されることはないため、親が扶養控除を受ける際の障害にはならないのです。
ただし、奨学金を返済している子どもが、アルバイトなどで収入を得ている場合は別です。アルバイト収入が扶養控除の基準を超えると対象外になるため、注意が必要です。
【学費を奨学金で賄っている場合のポイント】
- 親の生活費支援が重要
子どもが奨学金で学費を支払っている場合でも、親が生活費や家賃などの支援を行っていれば、「生計を一にしている」と判断されるため、扶養控除の対象になります。 - 親の仕送り記録を保管
奨学金だけでなく、親からの仕送りや援助も扶養控除の判断材料となります。送金記録や領収書を保管しておくことで、必要な際に証拠として提出することが可能です。
【奨学金と子どものアルバイト収入のバランス】
奨学金を受け取っている学生がアルバイトをする場合、扶養控除の基準を超えないように収入の管理が必要です。奨学金は非課税で影響を与えませんが、アルバイト収入は課税対象となるため、年間の総額が扶養控除の基準を超えないよう注意しましょう。
例えば、「学費は奨学金で支払い、生活費はアルバイトで稼ぐ」という場合、アルバイト収入が多すぎると扶養控除の対象外になる可能性があります。このため、家族で収入計画を話し合うことが大切です。
【手続き時に注意すべきポイント】
年末調整において扶養控除を申請する場合には、「扶養控除等申告書」の提出が必要です。奨学金が所得に含まれない場合でも、申告書に扶養親族として記載することを忘れないようにしましょう。また、アルバイト収入がある場合は、その金額も確認し、扶養控除の基準を超えない範囲で計画的に働くことが重要です。
【まとめ：奨学金と扶養控除を賢く活用する】
奨学金は、扶養控除の対象に影響を与えない仕組みが整っています。そのため、親としては安心して扶養控除を受けることが可能です。ただし、子どものアルバイト収入が増えることで対象外になるリスクがあるため、事前に家族で話し合い、計画的に対処することが大切です。適切な管理とコミュニケーションが、家族の経済的な安心を支える大きな柱となるでしょう。