犬を飼うだけで税金!?今では考えられない「犬税」の話
昔、日本では犬を飼うだけで「犬税」が取られていた時代があったんです。今では「えっ、犬に税金?」と思うかもしれませんが、戦前の日本ではこれが普通だったんです。この税金、実は「犬を飼う人にはその責任を持ってもらおう!」という趣旨で導入されていました。なんともユニークな制度ですよね。
当時の税額はそこまで高いものではなく、地域によって違いましたが、1匹あたり数十銭から1円程度と言われています。つまり、今で言うと数百円くらいでしょうか。それでも、当時の庶民にとってはちょっとした出費だったので、「犬にも税金がかかるなんて…」と不満も少なくなかったとか。
なぜ「犬税」が必要だったのか?
そもそも、なぜ犬に税金をかける必要があったのでしょうか?それは、「放し飼いの犬が増えすぎて困る!」という、今で言う「社会問題」だったからなのです。放し飼いの犬が町をうろうろしたり、家畜を襲ったりすることが増えて、「飼い主にもっと責任を持たせよう」という目的で犬税が導入されたんですね。
でも、ここで面白いのが、放し飼いの犬だけじゃなくて、ちゃんと家で飼っている犬も課税対象だったということ。つまり、「うちの犬はいい子ですよ!」と言っても、税金はしっかり取られるという、ちょっと不公平な感じもありました。結果として、犬を飼う人が減るどころか、「隠れて犬を飼う」という事態も増えたそうです。これ、
犬税がもたらした珍エピソード
犬税が原因で起きたちょっとした珍事件も記録されています。たとえば、税金を払いたくない飼い主が、役所が犬の調査に来るタイミングを知ると、犬を隠してしまうというもの。「今日は役所の人が来るから、犬は屋根裏の秘密部屋へ隠しちゃぇ」なんてことが普通に行われていたそうです。
また、一部の地域では、税金を払えない人が犬を手放すケースもあったとか。これが結果的に保護犬の増加につながったなんて話もあります。でも、その一方で、「犬を飼う資格があるのはお金持ちだけだ」という声も出て、犬がちょっとした「ステータスシンボル」 になる地域もあったようです。これ、今で言うと高級車とかクルーズ船みたいな扱いですよね。「俺、犬飼ってるぜ!」って威張る人もいたかも。
そして、犬税は廃止されることに
結局、犬税は戦後に廃止されました。その理由は、「犬に税金をかけるのは非効率すぎる!」という結論に至ったからと言われています。税金を集めるための人件費や手間が、税収に見合わなかったんでしょうか。
今では考えられない制度ですが、犬税は「飼い主が責任を持つべき」という考えを生み出した意味では、意義があったのかもしれませんね。現代では、犬を飼うために登録料を払うことや、マイクロチップの装着が義務付けられる地域もあり、形を変えた「犬税」とも言えそうです。