確定申告で医療費控除の適用を受けようとする場合に差額ベット代や出前・外食費を含めてよいのかどうか迷っている方も多いかもしれません。
以下でその扱いを整理してみたいと思います。
差額ベット代とは?
大部屋で入院生活をすることになった場合に「大部屋だと他の人が気になって眠れないので個室に変えてもらおう」と思ったり「見舞いの人がたくさん来て他の患者さんに迷惑をかけるので個室に変えてもらおう」と思ったりすることもあるでしょう。
このように患者さん個人の都合で特別な病室に変更してもらった場合、大部屋の料金と個室のような特別な病室の料金との差額部分については健康保険適用のない個人負担の支払いになります。
この差額部分の支払いがいわゆる差額ベット代です。
差額ベット代は患者さん個人の都合で申し出た場合であって患者さん自身がその支払いを同意した場合に発生するものですので病院サイドの都合である場合や患者さんが同意していない場合には支払う必要はありません。
医療費控除の対象となるのか?
医療費控除の対象には入院する際の部屋代や食事代も含まれることになりますが個人の都合で申し出た差額ベット代まで対象となるのでしょうか。
結論から言うとこれは医療費控除の対象とはなりません。
医療費控除の対象となる支払いとは治療を受けるために通常必要な支払いのことをいいます。
よって自己の都合で発生した差額ベット代については治療を受けるために必要な支払いとは言いがたいので医療費控除の対象とならないのです。
出前や外食は対象となる?
「入院中の病院食に飽きてきたから出前や外食でもしたいなぁ」そう思うこともあるかもしれません。この場合の支払いは医療費控除の対象となるのでしょうか。
上で述べた通りあくまでも医療費控除の対象となるのは治療を受けるために通常必要な支払いのみです。
入院中に病院から支給される食事については治療を受けるために通常必要なものとして認められます。
一方出前や外食は入院に際して通常必要なものではなく自己の都合により発生した支払いですから医療費控除の対象としては認められません。
まとめ
このように医療費控除の対象となるのは治療のために通常必要なものと認められる費用の支払いのみです。
自己都合で特別に支出するような差額ベット代や出前・外食費等は医療費控除の対象とはなりません。
入院中の部屋代や食事代は全て医療費控除の対象となる、と認識していると誤った判断をしてしまう可能性がありますので注意しましょう。